アルツハイマー病の研究ADEARサイト
30年前、私たちにはアルツハイマー病についてほんのわずかな知識しかありませんでした。それから現在までに、科学者らによって重要な進歩がもたらされました。米国国立加齢研究所（NIA）等の機関が支援した研究により、健康な高齢者の脳機能に関する知識は広がり、加齢に伴う精神機能の低下を軽減できる方法が明らかになり、アルツハイマー病についての理解が深まりました。
現在、多くの科学者と医師が、年月をかけて最終的にアルツハイマー病の発症へとつながる遺伝的、生物学的および環境的な因子を解決するために協力して取り組んでいます。この取り組みにより、私たちは、この深刻な疾患のより良い対処法、そしていつの日か予防法に、一歩ずつ近づきつつあるのです。
さらに、科学者たちは、アルツハイマー病の診断、進行を遅らせること、予防、治療、そしていつの日か治癒させることのできる見込みのある新しい介入方法を見いだすことに、大きく前進しています。現在、90を超える薬剤についてアルツハイマー病に関する臨床試験が進行中で、またさらに多くの開発段階の薬剤が、人を対象とした臨床試験に進むために米国食品医薬品局（FDA）の承認を待っています。
アルツハイマー病の研究への参加
アルツハイマー病の研究は、人々が自らの意思で臨床試験や研究へ進んで参加することによって初めて、前進させることができます。すべての新しい薬剤や治療法は、実地診療で使用できるようになる前に、安全かつ有効であるかどうかを確認するため、人を対象として厳密に検証する必要があります。現在、アメリカでは、アルツハイマー病に関する臨床試験および研究に参加する被験者として、アルツハイマー病とそうではない人の両方で少なくとも50,000名のボランティアが緊急に必要とされています。
アルツハイマー病患者、MCI患者、アルツハイマー病の家族歴のある人、そして記憶障害やアルツハイマー病の家族歴がない健康な人でも、臨床試験に参加できる可能性があります。試験に参加することは、科学者が健常な老化における脳の状態や、アルツハイマー病において起こることについて研究することに役立ちます。臨床試験の成果は、よりよい予防法および治療法へとつながるかもしれません。臨床試験への参加に協力することは、アルツハイマー病との闘いに貢献する一つの方法なのです。
