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アルツハイマー病の原因ADEARサイト

アルツハイマー病の原因はまだ完全には解明されていませんが、長い期間をかけて脳の中で生じる、複雑な一連の事象によって発症することが次第に明らかになってきました。原因としては、遺伝、環境および生活習慣などの複数の因子が絡み合っていると考えられます。遺伝子構成や生活習慣は人によって様々なため、それぞれの因子が、アルツハイマー病の発症の危険性を上昇させたり低下させたりする上でどの程度重要な役割を果たすかは、人によって異なります。

加齢に伴う脳の変化

アルツハイマー病をめぐる大きな謎の一つは、なぜこの病気は主として高齢者に発症するのかという点です。この疑問は、脳が通常、加齢とともにどのように変化するかということに関する研究によって、解明されつつあります。たとえば、加齢に伴う脳の変化がどのようにニューロンに害を及ぼし、アルツハイマー病による障害の原因となるかということについて、研究が行われています。

遺伝因子

アルツハイマー病についての研究が進むほど、研究者は、遺伝子がこの病気の発症に重要な役割を果たしているという認識を深めています。

若年性アルツハイマー病は、この病気のまれな型です。30歳から60歳の人に発症し、アルツハイマー病の人全体に占める割合は5%未満です。若年性アルツハイマー病のほとんどの症例は家族性であり、親から受け継がれた既知の3つの遺伝子のうちのいずれかの変化によって引き起こされます。

アルツハイマー病の患者の大半は、通常60歳以降に発症する、いわば老年性のアルツハイマー病です。アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子と老年性アルツハイマー病との関連について多くの研究が行われています。この遺伝子にはいくつかの型があります。そのうちの一つであるAPOE ε4は、アルツハイマー病発症リスクを上昇させると考えられています。しかしAPOE ε4型を保有していることが、必ずしもアルツハイマー病を発症することを意味するものではなく、またAPOE ε4を保有しない人でもアルツハイマー病を発症する可能性があります。

多くの専門家は、その他の遺伝子も老年性アルツハイマー病の発症に影響を及ぼす可能性があると考えています。世界中の科学者がこうした遺伝子を調査しており、APOE ε4の他に、老年性アルツハイマー病のリスクを上昇させる可能性がある多くの一般的な遺伝子が特定されてきました。

環境因子/生活習慣因子

研究では、基礎的な遺伝因子以外にも、多くの因子がアルツハイマー病の発症と進行に影響している可能性も示唆されています。たとえば認知機能低下と、血管および代謝に関する症状(心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病および肥満など)との関連性には、大きな関心が寄せられています。このような関連性を解明し、臨床試験で検証することにより、これらの疾患の危険因子の低減が、同じようにアルツハイマー病の解決にもつながるのかどうかが、明らかになっていくでしょう。